2010年8月8日日曜日

京都OHBL奥田浩子のBeauty Memories      "小説 恋愛物語”



今までの視線とは、
確実に違っていたから、
きっとまた、
すぐに逢いたくなったのだ。

かなり不埒な出会いであったにも関わらず、
これから体験できるであろう
様々な刺激的な出来事を予感させる、
そんな人であった。

案の定、
三度めのデートでプロポーズされ、
私の未来は、生活も仕事も含め、
今までの想定をはるかに超えて、
とてつもなく広がりそうな予感でいっぱいだった。

もっと大きな舞台でのびのびと、
精一杯羽を広げて、
羽ばたいてゆくのだ。

自分の夢を大きくふくらませて、
挑戦していくのだ。

この人が私に、
素晴らしく耕かせる土壌を
与えてくれるのだ。

いくつもの、お決まりの事柄や、
乗り越えなければならない試練などはそっちのけで、
ただただ、物語は進行していった。

そして、
物語は、いつかは終わる。

叶わなかった夢を、
私は泣いて終結し、
その人は、
拳で壁を叩きながら、
悔しそうな言葉を発しながら、
終結した。

夢だけをみて、
自分だけをみて、
前を向いていた私は、

運命だと思っていたその人の、
嗚咽とともに発した、
言葉の意味も全くわからず、
ただ呆然とたっていた。

文化も
言葉も違うその人の、
何も学ぼうとせず、
最後の心の叫びであったがゆえの
母国語すら、
全く理解できずに、

何に挑戦しようとしていたんだろう。
どんな成功を、
手に入れようとしていたんだろう。


恋愛物語。
そう、これは単なる物語。

稚拙で何の努力もない、
ただの
恋愛物語。

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