2014年3月12日水曜日

京都OHBL奥田浩子のBeauty Memories       "春の花占い"





桜の花びら舞う高校卒業式の帰り道。
ついてきてとせがまれて、せまい電話ボックスの中、
その友達が聞いていた。


私のこと、好き?嫌い?
何度聞いても、相手はずっと答えない。

私のこと、好き?嫌い?
じれったい。

どっちなの?どっちでもいいから 、教えてよ。
私のこと、好き ?嫌い?

本当は「好き」と答えてほしいけれど、ねぇ、とにかく教えてよ。
私のこと、好き?嫌い?
 

様々なレッスンの後、私がよくアドバイスすることに、

「ごめんなさい。勉強だと思って聞いてくださいね。
このバッグの色は、似合わない。二度と買わないで下さいね。」

「今の髪の長さは、ダメ。あと10センチカットして下さいね。」などがある。


否定的な言葉になるので、
一応気を遣いながらアドバイスするのであるが、
必ずどんな方も、
「その答えがほしかったんです。よくわかりました。」と、
素直に喜んでいただける。

好きとか嫌いとか。
似合うとか似合わないとか。
必要だとか必要でないとか。
様々なことを答えるということは、責任と覚悟が必要である。

その人をしっかりみつめているから、
その人をしっかり受けとめているから、
その人を美しくしようと一生懸命だから、
今日も私は、明快に答えようと思うのだ。

その人に似合うものや、その人に必要なこと、
その人がしなければいけないことを、
すっきりと答えられるよう、
美容の道を精進するのだ。

10代の頃の友達は、なかなか答えてくれないからと、
花占いをしながらつぶやいていた。
一枚、一枚、好き、嫌い、好き、嫌い

今日もオーヴルには、
「わたし、キレイになれますか?」
「わたしに似合うものは何ですか?」と、たくさんの人が訪れる。

オーヴルの花占い。答えは、いつもひとつだけ。

「もちろん、キレイになりますとも。」

春ですもの。

「必ず、キレイになりますとも。」